WEBデザイナーがタイ就職を決めるのに利用した求人情報サイト

タイ就職を決めて、バンコクで生活をしていると同業種の人たちとは自然と仲が良くなります。一緒に食事に行くと、「なんでタイに来たの?」や、「どうやって仕事を見つけたの?」と良く聞かれます。特に私たちのような自らタイを選んで日本よりも給料が安くなっても現地採用として働いている人には、駐在員と呼ばれる日本から選ばれたり、出張で来ていたりする人からすると凄く興味がある事だと思います。
先日、30人規模を超える飲み会の時に、また同じような話になりました。そこで現地採用の人にアンケートを取り名前が出てきた7つのサイトについて紹介します。平均すると約3サイトは見ているという事でした。

サイト名:キャリアリンクタイランド(サイト名をクリックするとHPに飛びます)

URL:https://kyujin.careerlink.asia/thailand
紹介:タイ求人採用情報、就職・転職なら人材紹介会社キャリアリンクタイランド

サイト名:ジェイ エイ シー リクルートメント タイランド(サイト名をクリックするとHPに飛びます)

URL:https://www.jac-recruitment.co.th/ja
紹介:ジェイ エイ シー リクルートメント タイランドは、英国・日本・アジア各国にグローバルなネットワークを持つジェイ エイ シー リクルートメント グループの​一員として、企業と優秀な人材をつないでいきます。

サイト名:WAKUWAKU(サイト名をクリックするとHPに飛びます)

URL:https://waku.jbtalents.com/match/for_japanese
紹介:タイの日本人向け求人を検索
ウェブ上で面談できる
新しいシステム

サイト名:PASONA(サイト名をクリックするとHPに飛びます)

URL:https://pasona.co.th/ja/
紹介:パソナタイランド(Pasona Thailand)ではタイ・バンコクの求人、転職、就職、派遣などの求人情報を多数掲載!!日本人のスタッフがバンコクでの仕事探しを全力でサポートします

サイト名:パーソネルコンサルタント(サイト名をクリックするとHPに飛びます)

URL:https://www.personnelconsultant.co.th/
紹介:タイにある人材紹介会社で一番の情報量タイバンコクでの求人求職はPERSONNEL CONSULTANT

*タイに住んでから求人情報サイトの知名度としてはパーソネルコンサルタントが高いのですが、今回の飲み会には日本からタイに移ってきた人が多かったせいか、利用した人は(タイで転職をした)一人しかおらず、みんなで「意外だねー」みたいな話になりました。

タイでWEBデザイナーとして就職する方法

少し前に書いた「フリーランスのWEBデザイナーとして活動していた私が就職したわけ」がアクセスが好調なので、今回はタイでWEBデザイナーとして就職したい人向けに書いてみます。

私がタイでWEBデザイナーとして就職してから少し経ちますが、現在の会社で採用責任者としてタイ人や日本人だけでなく近隣のベトナム人の書類選考や面接(ベトナム人は最終面接のみ)を行っているので、現在海外で求職中の人には少し役に立つのではないかと思います。

①実務経験3年以上でHTML以外の知識があること

私が再就職をしたのは2013年夏です。その時は、まだWEBデザイナーの需要が今よりもまだあったので求人票に書かれていた条件は専門学校を卒業しているか、就業経験3年以上というのがほとんどだったと思います。給料が安いものであれば就業経験を問わないものもありました。
給料が安い求人の場合は、他の条件としてHTMLやCSSを理解していることでした。これさえ出来れば最低賃金はもらえました。(私はフリーランスで働いていたこともあり、HTMLやCSSだけでなくCGIやPHPも多少理解していました。またイラストレーターやフォトショップも使え、SEOの知識がありましたので、他の人よりも給料は高かったです。)
しかし現在は実務経験が3年もしくは5年を課すことが多く、専門学校や大学を卒業しただけのレベルでは採用されることは少ないです。専門学校や大学を卒業したばかりで実務経験が無い方で就職先を探してい場合は、HTMLとCSS以外にも何か他に出来るものを習得している必要があります。
若い方の中には東南アジアだからHTMLの知識だけでも大丈夫だと考えている方がいます。そんな方は書類選考で落とさせて頂いています。その理由として、タイの場合は日本人の最低賃金が5万バーツと法律で決まっているため、現地スタッフと同じ力量の人に現地スタッフより高い給料を払うことはありえないからです。また、そういった方の多くは「働きながら勉強したい。」と履歴書に記載しています。本人は前向きな意思や向上心ということを伝えたく記載されているようですが、海外では先述の理由により良い意味には取られません。

②語学力は必須

タイやベトナムの現地スタッフの多くは英語が可能なことが多いです。IT系の職種は、日本だと技術屋のイメージが強いかも知れませんが、こちらでは技術はもちろんのことだが、頭がいい人の仕事のイメージが強いように思います。そのため、ほとんどのスタッフが英語が話せます。レベルはまちまちですが仕事においては問題ありません。しかし、日本語を話せるスタッフになると、英語よりも特殊な言語となるため必然と少なくなってしまいます。そのことから、社内公用語を英語にしている会社が多いので、英語力は必須です。目安としては日常会話以上話せれば良いです。

③求人サイトより人材紹介会社

採用担当の私の意見というよりも、あくまでも個人の意見として受け取って欲しいです。
個人で求人サイトを利用して探す方が、人材紹介会社に依頼するよりも流れなどがスムーズに感じるかも知れません。しかし、いざ採用となった時に給料や待遇面の交渉をする際に個人だとはっきりと言えない方が多いと思います。私もそのタイプです。両方で探しましたが、うまく交渉出来ませんでした。同じようなことを人材紹介会社の担当者に話して、人材紹介会社を通して採用を頂いた今の会社へ伝えてもらいました。

豊田通商が60周年を記念フェスティバル開催

豊田通商(タイランド)株式会社が、60周年を記念して「豊通ジャパンフェスティバル」を開催します。

豊田通商(タイランド)株式会社とは、トヨタグループ唯一の総合商社です。
また同グループのIT部門として、TT Networkがあり、タイではネットワーク構築やシステム構築などを行っています。

この会社は60年間、毎年トラクターやフォークリフトなど大きな機械の輸入とサプライチェーンマネジメントを行ってきました。収益の割合は、80%を自動車製品が、残りの20%を非自動車製品が占めています。また現地スタッフを積極的に採用しており、多くのタイ人スタッフが働いています。

現在のマネジメントチームは大場 清義(おおば きよよし)社長と、アヌータ・ジャオヴィシダ財務経理部長から成っています。
同社は事業の成長への期待を叶えるべく、日本からの輸入製品や豊田通商タイランドで製造された製品を中心に、消費生活製品分野に事業を拡大する準備をしています。
「豊通ジャパンフェスティバル」の間、同社は日本の主要ブランドを含む100以上の店を巻き込み、日本の生活用品を展示する予定です。
西川マットレスやスガハラガラス、10 mois(ディモワ)の赤ちゃん向けオーガニック製品、食の劇団の有機フルーツ、たち吉の陶器などの消費生活製品を購入できます。
消費者製品やファッション、旅行、枕、健康マットレス、インフルエンザ検査装置を含む多様な生活用品が一か所に集まるのは、このフェスティバルが初めてです。これらの生活の質を上げる生活製品は、タイの消費者と、タイの日系企業で働く日本人(現地採用や駐在員)や日本人移住者のニーズに応えます。このフェスティバルで生まれる総収益はおよそ3,000万〜4,000万バーツ(約1億円)になると期待されています。

現地採用
海外に進出した企業等が所在地にて生活する採用を行った社員のこと。日本採用の駐在員と比べると給料や待遇面では劣る部分が多いものの、(会社による違いはありますが)生活においての制約が少ない。

>タイで現地採用として働く際に登録した人材紹介会社会社を2つ紹介します。
https://kyujin.careerlink.asia/thailand
http://saiyo.co.th/

社長の大場 清義は、「私たちの会社は60年間事業を展開し、あらゆる県の学校に教育メディアを寄贈する『60周年−60学校プロジェクト』を通して、企業の社会的責任を果たそうとしています」「それらの学校から多くの卒業生を採用しています」と言いました。
「事業に関しては、私たちの唯一無二のスキルは自動車分野ですが、今後もサプライチェーンマネジメントに重きを置き、他の事業部門にも拡大していくつもりです。私たちの製品は市場での流通において最終製品ではありません。それよりも、市場で販売される最終製品の製造に用いられる装置が代表的です。」
「豊通ジャパンフェスティバル2017の計画は、私たちが消費者製品を扱う上での最初の一歩です。目玉である質の良い日本の消費者製品は、全ての家族の生活の質に対する消費者欲求を満たしてくれると、私たちは信じています。私たちの製品は子ども、働くティーン、家族のカテゴリーにも分類されています。」
アヌータ・ジャオヴィシダ財務経理部長は、「経営者そして豊田通商タイランドの3代目の後継者として、従業員の生活と世界情勢への配慮に関する会社の方針のおかげで、私たちの事業は従業員に恩恵をもたらし、タイ経済の発展に貢献してきたと言えます。」
「60年間の事業の中で、今回は私たちの製品とサービスは最も消費者の生活に近いです。豊通ジャパンフェスティバルは豊田通商グループや家族やタイ在住日本人が待ち望んでいる、最も楽しいイベントとして知られています。私たちはフェスティバルの2日間で50,000人の来場者を呼び込む狙いです。イベントでは膨大な量の日本の生活製品を取り上げます。」
「豊通ジャパンフェスティバル」は2017年7月29日、30日の間、サイアムパラゴンショッピングモール内のロイヤルパラゴンホールで開催されます。イベントについて詳細を知りたい方は、Facebookファンページ「Toyotsu Japan Festival」をフォローしてください。

タイ観光省がより多くの日本人女性を招こうとしています。

タイに訪れた際、日本人女性は男性と比べて平均5%多くの費用を消費しています。そのため、タイ観光・スポーツ省は、男性よりも多くのお金を消費する日本人女性観光客を呼び込む狙いです。

アサンプション大学が主催した【ビジネスと社会での女性のリーダーシップを強化する】というランチョンセミナーの中で、コブカン・ワッタナラクル観光スポーツ省長は、「日本人女性にとってタイをより魅力的に感じてもらうため、ムエタイ、瞑想、ショッピング、郷土料理や織物、さらには有機園芸などのアクティビティを推進していく」と宣言しました。
「タイ料理はその味と独特のスタイルから既によく知られているため、北東部の料理やイサーン料理を宣伝することは、外国人旅行者を魅了する面白い方法となります。イサーン料理の紹介はタイの観光業においてさらなる利益をもたらすでしょう」と語りました。
より多くの日本人女性にタイに来てもらい、イサーン料理を試してもらうことができれば、イサーン料理を楽しむ人が増え、食料販売業の活性化に繋がる可能性があります。

ワッタナラクル氏は、このような旅行の促進活動をより多く行うことで、タイを訪れる日本人女性を現在よりも30%増加させることができると確信しています。
今年は170万人の日本人観光客を獲得し、662億バーツの収入を得る見込みです。
タイ政府観光局(TAT)は、昨年、同国は、2015年比で4.1%増の163万人の日本人観光客を迎え、6.3%増の614億バーツの総収入を生み出したと語りました。
TATの調査によると、日本人旅行者の間で最も人気の旅行先は、バンコク、チョンブリー、プーケット、チェンマイ、アユタヤです。
コブカンさんは、同省は日本人観光客からも歓迎されている女性、特にタイの自然やおもてなしによって日々のストレスの癒しを求める重役などを惹きつけるため、数多くのキャンペーンを打ち出したと言います。
「日本人女性がもっとタイで過ごしたくなるような、様々なキャンペーンや遊びを組み込んだ、私どものツアーパックがもうすぐ出来上がりますよ!」彼女はそう言いました。

フリーランスのWEBデザイナーとして活動していた私が就職したわけ

私は、もともとフリーランスのWEBデザイナーとして活動していました。

フリーランスのWEBデザイナーというのは、インターネット環境とパソコンがあれば成り立つ仕事です。
それもあり、世界一周といかないまでも英語が通じそうな国へパソコンを持って移動?旅行していました。
そんな中、東南アジア周辺を回っている時に、贅沢さえしなければ安くて過ごせると思ったタイにしばらくいようと思いました。
初めはタイで生活するには十分すぎるほどの収入がありました。(日本でも問題ない程度)
ノマドワークという言葉が流行りだして少し収入が減っても、全然問題なく生活が出来ていました。

そんな折り、いろいろと悩んだ結果、フリーランスを辞めてタイ現地で再就職をしました。

その理由は、時代の進化に伴ってWEBデザイナーという職業がなくなると考えたことによります。現在は、なんでもデジタル化となって、どんなものでもインターネットに繋がる時代となりました。昔より断然とインターネットやWEBの重要性は高まっていると思います。それに伴って、関連業種の需要が高くなるのは必然です。そんな中、日本、アメリカ、イギリスにいる友人やその周りで、WEB制作をメインに行っている小さな会社が軒並み廃業している話を聞き、その要因を知ったことからフリーランスWEBデザイナーと言う仕事がなくなるのではないかと思ったからです。

再就職してから、私の考えがほぼ当たっていたことに驚きました。

今、WEB制作の現場では、変化が起こっています。以前は、デザインはどこどこに外注して、コーディングはどこどこにみたいな感じでも問題ありませんでした。(だから、私は食えていました。)
そこから、ウェブサイトではSEOだけでなく、ソーシャルメディアやオンライン広告などをカバーする必要性が上がってきており、それらをカバーするために制作チームを会社内で立ち上げるようになっています。そうなると、外注する部分が減ってきています。
今、私が働いている会社はそこそこ大規模なので、小さな規模は違うんじゃない?なんて思う人も多いかと思いますが、お客さんによってはワードプレスの有料テンプレート(かなり充実してきました)でまかなえてしまうことが多いらしく、外注することが減っていると言う話をよく聞きました。小規模な会社ではコーディングだけは外注するという話も聞きましたが、自動コーディングツールが以前よりも格段にレベルアップしており、そのうちコーディングの外注すらも無くなるのではないかと思っています。
最後に、フリーランスに限らずWEBデザイナーの存続が危ないと感じることがあります。それはWEBサイトの必要性がなくなってきてるように思います。私が住むタイのレストランや飲食店ではWEBサイトを持っていないことが当たり前のようにあります。その理由としてfacebookの普及が挙げられます。どこのお店も自社のウェブサイトではなく、フェイスブックページをメインにしているところが多い印象を受けます。これは東南アジア地域では、当たり前のようでベトナム人の友人はWEB制作よりもフェイスブックページ制作の方が収入を超えたと言ってましたから。

このような理由から、時代の変革期の今、フリーランスのWEBデザイナーと言う仕事が無くなるのではないかと思い、まだまだ仕事がある若いうちに再就職を決めた次第です。

買い物客の心に向かう道?

東南アジアの大勢のファンの心を動かすことを期待して、ソーシャルメディアスターを起用する広告主がいます。

ソーシャルメディアスーパースターとの提携は、東南アジアの広告主の間で人気の戦略であり、情報を投稿する人に商品を提供することで、多くのファンが目にする機会の創出に役立っています。
ソーシャルメディアの「インフルエンサー」(社会に対して強い影響力を持つ人)の一人であるメリッサ・コーは、日本の山形県で過ごした2月の雪の日について、「見て、そこら中に魔法があるわ」と、インスタグラムに投稿しました。写真を共有できるこのサービス内の彼女のアカウントでは、コーの旅行やファッションチョイス、どこへ行き何を買うかの提案の希望などが随時投稿され、22万人以上のフォロワーの関心を集めています。

事実、コーの日本の東北地方への旅行は、東南アジアをターゲットとした宣伝キャンペーンの一環として、全日本空輸(ANA)がスポンサーを務めたものでした。彼女が自身のアカウントで写真や動画を投稿したことで、キャンペーンが届く対象が広がったのです。ANAホールディングズの広告部署の計画に携わった職員によると、この方法は著しい成功を収めたそうです。コーのおかげで乗客数は増えていると、その人は言いました。
 このようにスポンサーとなってインフルエンサーに投稿を依頼することは、多くの会社にとっては新しい戦略ではありません。しかし、東南アジアでは最近採択され始めた方法です。アメリカの広告代理店オグルヴィ&メイザーによると、インフルエンサーによるマーケティングは、今やタイで使われている会社のソーシャルメディア広告の30〜40%を占めており、3年前の15%と比較して増加しています。
 東南アジアでのファッションや旅行雑誌の流通は中国や日本よりも低い一方、スマートフォン所持者の増加がオンラインやソーシャルメディアへのアクセス人口を増やしています。イギリスの広告代理店ウィー・アー・ソーシャルによると、ブルネイ、シンガポール、マレーシア、タイ、そしてフィリピンの人々へのソーシャルメディアの浸透率は50%を超えています。企業はこの傾向が、ショッピングをする時に友人のおすすめを聞きたいという願望と相まって、スポンサー付きコンテンツを東南アジアでの有力な宣伝ツールにしてくれると見込んでいます。

<ライフスタイルブランド>
 ソーシャルメディア・インフルエンサーとそのフォロワーは、共通の好みと価値観で繋がっています。東南アジア諸国連合のライフスタイルの動向を調査している、博報堂生活総合研究所アセアン所長の帆刈 吾郎(ほかり ごろう)によると、広告主が投稿のスポンサーとなるとブランドに関するコンテンツを広告主がコントロールしづらくなる一方で、投稿者のファンに対する影響力と信用性に入り込み、商品やサービスに対する「親しみの感情」を持たせることができるそうです。
 したがって、スポンサー付き投稿は狭い販売対象を正確に狙う方法であり、化粧品やファッション、食品を宣伝するには特に有効な戦略です。例えば、資生堂はスポンサーコンテンツを用いたキャンペーンによって、スキンケア製品ラインの「専科」を、1年強でタイの洗顔料市場の12位から5位に押し上げることができました。フランスの化粧品メーカーのロレアルは、メイクアップのチュートリアルなどのコンテンツで世界中のインフルエンサーと連携し、ロレアルのウェブサイトと、コラボしたインフルエンサーのソーシャルメディアフィードの両方で閲覧できるようにしています。
 インフルエンサーの出来事として宣伝するこの方式に、ファンや業界インサイダーは関心の高まりを露にしています。4月には、地域で最も大きなイベントの一つであるインフルエンス・アジア(アジア最大のソーシャルメディア賞)に約3,000人の観客が参加しました。ソーシャルメディアの投稿がイベントへのアクセス件数を2年前より40%高い6,200万件に押し上げた他、2015年には180人だったインフルエンサーの出席者数が、今年は252人に増えました。シンガポールのDBS銀行の親会社であるDBSグループホールディングズは、ソーシャルメディアスターが金融商品に対する若者の興味を集めてくれると見込み、このようなイベントでインフルエンサーをスカウトしようとしています。

<的確なアドバイス>
 しかし、ソーシャルメディア宣伝において信頼性を保つことは、解決しなければならない課題です。不道徳な企業が、商品の宣伝のために愛用者を装って従業員に投稿させるかもしれません。スポンサーの競合を批判するインフルエンサーが訴訟に巻き込まれることもありました。
 シンガポールは、普段の投稿との区別を明確にするよう、広告主に対して指令を出しています。スポンサー候補から独立していることを強調するアカウントも一定数あります。バンコクの男性が運営する、レストランのレビューやレシピ動画投稿フィードのスターヴィング・タイムは、レストランの宣伝内容と実際の料理のギャップを見せることに特化しています。全ての広告はこのように明確に区別されています。
 このアカウントの正直さと中立性は、130万人のフォロワー獲得に繋がりました。昨年、スターヴィング・タイムは企業として登録され、会社のブランドで約50人の従業員を雇っています。

上手な生活を続けるための利便性の需要

タイの消費者の成長する都市での生活が、インスタント加工食品の需要を加速させています。国の都市化に直面しているタイ人の間でコンビニエンスストアの需要が増しており、メーカーにとって主要経路のターゲットとなることが確実視されています。ジェンス・カストナーは東南アジアでの利便性の需要の増加に注目しています。

 タイの生活の変化が背景となり、タイでの利便性の需要は伸び続けています。
 無秩序なバンコク郊外の分譲マンションに住む人口の割合が過去最大となり、農村地域は産業クラスターへと変化を遂げ、交通渋滞が悪化し、より多くの家族が家の外で働くようになるにつれて、インスタント加工食品の選択肢の需要が高まっています。
 例えば、市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルのイギリス拠点は、インスタント食品の小売価格が前年比10%上昇し、7.4バーツ(約25円)になると予想しています。ユーロモニターは、2015年のインスタント食品分野で1位2位を占めたタイの会社チャルーン・ポーカパン・フーズ(CPF)とS&Pシンディケートに注目しています。初めは醸造会社だったタイ・ビバレッジ(タイビブ)とシンガ・コーポレーションも、インスタント食品業界の主要企業となっています。
 「調理する時間が無いので、調理済み商品や、冷凍食品、無菌製品がタイ中のコンビニにあるのです」と、チェンマイ大学 農産学部のピチャヤ・プーンラープ助教授は言いました。「冷凍か無菌パックの商品は、消費者は購入後にお店のスタッフに電子レンジで温めてもらうようお願いできます。」
 プーンラープさんはタイのコンビニで販売されている最も人気のインスタント食品として、ミントの焼きチキンとライスや、焼き飯、ワンタンスープ、ニンニク炒めと唐辛子の豚肉とライス、焼きビーフン、カレーライスを挙げています。そして、ハンバーガーやピザなどのアメリカンスタイルのファストフードは子どもたちやティーンの間で人気な一方、15〜50歳の年齢層は寿司やラーメンなどの日本式の調理済み食品を好んでいるようです。
 ユーロモニター・インターナショナル シンガポール拠点の上級リサーチアナリストであるエミル・ファジラは、外食産業の発展がインスタント食品分野の穴を埋める動向を見せていることを指摘しています。「多くの新しい飲食店が2015年に開店し、多くのタイ人に外国の料理を食べる機会が増えたため、伝統的な料理の小休止として即席食品を選ぶことがあるようです」と彼女は言います。
 インスタント食品のタイでの成功はコンビニの成功にも直結しており、昨年10月に公開されたタイの食品業界に関するミンテル・レポートによると、コンビニ店舗数は今や30,000店にものぼり、1店舗につき5,500人の顧客がいるとのことです。バンコクのシラパコーン大学の調査によると、食品を販売するガソリンスタンドの店舗も増えているそうです。一方で、CPFは即席食品をセブンイレブン8,500店舗とCPフレッシュマート700店舗に出荷しており、タイの調理済み食品の最前線として絶大な注目を集めています。
 タイでの利便性の分野の成長は、即席食品に好機を与えただけではありません。ニュージーランドの乳業の巨大企業フォンテラも、国内での成長計画の核としてコンビニを見ています。
 タイでフォンテラのブランドビジネスの代表取締役を務めるポール・リチャーズさんは、「コンビニ業界がタイの小売産業の土台であることに疑いはありません」と言います。ニールセンが出したデータを参照すると、タイの日用消費財の売り上げの4分の1をコンビニが占めていると、リチャーズは言います。「私たちはこの業界で強力なブランドを持つことによって、乳製品の栄養と利便性の需要が増えている大きな街や観光地に販路を広げることを可能にしてきました。しかし、販路はコンビニに移りましたが、消費者は変わらず品質や多様性、高級ブランド商品を求めています」リチャーズは言います。

>タイで有名なコンビニ「セブンイレブン」を紹介します。
https://www.7eleven.co.th/

 リチャーズは、フォンテラが「新メニューや革新的な乳製品のソリューション開発のために主要なコンビニエンスストアと提携している」と説明し、グループの外食企業であるアンカー・フード・プロフェッショナルズ、大人向けの牛乳のラインであるアンレン、母子向けのブランドであるアンマムを例に挙げました。「私たちのアンカー・フード・プロフェッショナルズ チームは、現代のタイ人消費者の味覚の変化や、出先で食べられる食事のニーズに応えるために、セブンイレブンと共同でカルボナーラとホットサンドを開発しました。さらに私たちはアンレン・ゴールドUHTとアンマムUHTをセブンイレブン商品として初めて立ち上げ、液体状のアンレンとアンマム製品を入手しに来店する消費者を大幅に増やしました。その結果、アンマムUHTの売り上げは昨年度と比べて48%伸びました。」
 タイのコンビニを介する流通経路は、国内でコンビニ事業を成長させ続ける挑戦に貢献することになると、リチャーズは言います。リサーチ・アンド・マーケッツ アイルランド支店の予想を参照し、コンビニの店舗数は2020年まで毎年12%増えると予想されていると、彼は付け加えました。「これは将来の発展のためにわれわれが注目している流通経路です」と彼は言います。
 バンコクのカセサート大学 農産学部 梱包・素材テクノロジー学科長のトゥニャルット・ジンカーンは、タイのコンビニ流通の強さは、ハンバーガー店から伝統的な屋台食まで様々なファストフード業界にとって重大な脅威だと主張しています。「即席食品の価格が比較的安めなので、即席食品はファストフードと価格の点で真っ向から競争してしまいます」と、ジンカーンは説明します。「しかしファストフード業界とは異なり、CPFのような即席食品会社は活発な研究開発によって常に新しい即席食品を立ち上げ、テレビやインターネット、チラシを通して宣伝します。」
 値段や利便性、材料の健全さ、さらには製造技術に焦点を当てた販売キャンペーンは、屋台食が遅れていて汚染されているという印象を消費者に持たせていると、ジンカーンは言います。「即席食品は一般的にGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)で承認を受けた、汚染の心配がわずかもしくは全く無い工場で製造されています」と彼女は言います。
 これから即席食品の強みとなってゆくのが、例えばタイ人口6,800万人のうち3,000万人が利用している、爆発的人気のインターネットアプリLINEを介すことです。「タイでは他の東南アジアと比べて珍しく、企業が消費者と繋がるためにLINEを利用しており、地域や海外のセレブをブランドアンバサダーに起用するなどもしています。シンガ・コーポレーションの即席食品ブランドであるスター・シェフのブランドアンバサダーには日本人シェフのかずみ やすじろうが起用されています」と、ファジラは言います。
 カセサート大学のジンカーンは、タイの食品産業の即席食品分野は、活発化した研究開発によって年度中期にかなり強力に成長すると見ています。
 タイは5月に、国を世界的な食品革新の中心として位置付けるため、パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP:官と民が提携して事業を行う)計画に基づき、バンコクのイノベーションセンターフード・イノポリスを立ち上げました。センターで仕事をする企業は、法人税が8年間免除になり、中小企業であれば税金が10%減額となり、海外の投資家がバンコク・サイエンスパークの一角に土地を所有できるなど、インセンティブを受けられます。
 「私たちは企業の政府や大学との調整も手助けしています」とフード・イノポリスの事業開発責任者スチーラ・アーチャロエーンは説明します。
 タイ科学技術省によると、フード・イノポリスの参加者は9,000の食品工場、3,000名の研究者、10,000人の食品科学技術科の学生、150の食品研究所、20のパイロットプラント、70大学にものぼります。現在、約45%のタイ食品の輸出が未加工の生鮮食品ですが、省が計画している通りフード・イノポリスが付加価値のあるイノベーションを生み出すことができれば、この割合は減少するはずです。
 「フード・イノポリスや、アーントーン県の食品研究開発センターであるワールド・フード・バレーのような計画が立ち上げられたように、研究開発に関する激しい省庁協力が起こっています」とジンカーンは言います。「関係する大学や食品産業の人たちはとても積極的で、沢山のセミナーや投資の仲介イベントが開催されています。私はこうしたイベントは、タイの即席食品の国内および海外競争にとってプラスになると考えています。」
 タイ消費者の購買力の増加は、今後も便利な食べ物の選択肢への要求を活発化させ続け、加工食品メーカーにとって絶好のチャンスとなりそうです。

屋台が無くなり、バンコクの歩道の辛みが弱くなった

無秩序な首都に要求を課すための、タイ軍事政権による取り組みの新たな矛先に向いています。

最近のバンコク市職員による取り締まりは、首都の暑く湿気の多い歩道の名物となっている、タイ特有のヌードルや辛いトムヤンクンスープなどあらゆるものを売る屋台の商人たちに及んでいます。金属製の折り畳みテーブルとぐらつくプラスチック製の腰掛けがある屋台は、財布を気にする地域の人々や冒険好きな旅行者にとっての頼れる美食の場となっています。

「屋台の食べ物は生活の大部分を占めています」市の中でも最先端を行くトンロー地域で10年以上暮らしている、株式仲介人のノン・ノンティスクンさん(29)は言いました。「毎日高級なレストランで食べている人だって、屋台の食べ物はやめられませんよ。早いし、美味しいし、半分の値段もしませんから。」
 市職員は屋台の食べ物を違法の迷惑行為と認識しており、次の月曜までに立ち退くよう行商人たちに警告してきました。彼らは、立ち退きはすぐに他の地域にも広がるだろうと言っています。2014年のクーデター以降タイを治め、悪徳政治家や歩道の混雑に至るまでを排除し、タイ社会を綺麗にするよう圧力をかけてきた軍事政府によって、市職員たちは取り締まりを強いられています。
 この流れは、街の市場からビーチパラソルや値段を上げた宝くじまで全ての店に対して、時に不器用な取り締まりを行う結果となりました。目撃者は言っています、失脚した政府とその人民主義の思想を支持していた多くの貧困層が、軍事政府が支援する運動の矢面に立たされており、歩道を綺麗にする取り組みは、商人と労働者階級の客に最も強い打撃を与えるでしょうと。
 腐敗、売春、汚染、交通安全などに対するタイの取り締まりは、軍事政府によるものですが、つかの間で悪名高いものです。しかし、市の職員は乱暴に説得にあたっています。
 バンコク地区の長であり、管轄区内の歩道を空にする仕事を課されているブーンターム・フイプラサートさんは、交通の混雑や生ごみの蓄積と闘うため、屋台の商人は立ち退かされていると言います。
 取り締まりが近所の街に広がる次の月曜までに、トンローの90の商人と屋台は立ち退かなければならないと、ブーンタームさんは言いました。違反者には最高2,000バーツ(約6,620円)の罰金が科せられます。
 「ただ歩道で商売をしなければいいのです」ブーンタームさんは言いました。「歩道で物を売っている人は、場所の使用料を払っていません。今はあまりにもそういう人が多いので、私たちも社会を整理しなければならないのです。」
 事実、食べ物の商人たちは、市の職員に対して内密に毎月少額の支払いをしていると言います。このような警察や軍との結びつきのある実力者への支払いが、バンコクの無秩序な闇経済を現実にしているというのは、公然の秘密なのです。ブーンタームさんは、公式でないこのような支払いが起こっていることに気付いていなかったと話しました。
 スーチン・ワナサトルさんは、トンローの歩道で20年以上、カオカムー(豚足煮込み)を40バーツ(約130円)で売ってきました。47歳の彼は、近隣の商人と同じ額である1,000バーツ(約3,300円)の支払いを毎月続けるため、真面目に努力してきました。彼は現在、歩道の売り場から1.5キロメートル離れた場所に本当のレストランを開店する準備をしています。35,000バーツ(約11万6千円)の賃貸料は、3人の屋台商人仲間で分割して支払うつもりです。
 「この地域に常連のお客さんがいるので、私はここに留まらなければいけません」スーチンさんは言いました。「娘を学校に行かせるために、私にできることは何でもしています。彼女が卒業したら、バンコクの外に引っ越そうと思います。ここでの生活は厳しいです。」

 評論家は、政府は商人たちを援助し、政府の規制や分譲マンション、ショッピングモール、オフィスビルの再開発によって失われている、バンコクに活気を与える独特の無秩序を一部残すべきだと主張しています。
 屋台のある地区に対する運動が定着すると、旅行客はイモムシの素揚げや焼いた豚の腸、伝説的に臭いフルーツのドリアンを見かけることも無くなります。お洒落なバーやレストランが屋台のように料理をビニール袋に入れ、口を輪ゴムできつく縛って渡してくれることなど無いでしょう。
 「私は仕事を無くしたように感じていて、これから何をすれば良いかも分かりません」コーヒーを30バーツ(約99円)で販売している、39歳のウボルワッタナ・ミンクヮンさんは言いました。「トンローの賃貸料を払う余裕はありません。」
 「市の役員に、理解と援助をお願いしたんです」彼女は言いました。「みんな『ダメ、ダメ、ダメ』と言います。もう指令を受けてしまったと言うのです。」

タイの地域社会は伝統芸能、食べ物で魅了する

旅行者のほとんどはバンコクをショッピングの行き先として見ていますが、近隣の地区では、過去を旅しているような保存された芸術や食べ物の文化を体験することができます。
 「微笑みの国」で売っているタイは、アジアの人気旅行スポットの一つです。首都のバンコクは華やかな夜の街や高級ショッピングセンターがあることで知られていますが、それ以外の見どころも沢山あります。
 民主記念塔から徒歩5〜10分の場所にあるナンレンは、1990年代に戻ったような体験ができる、バンコク内の小さな地区です。タイの旅行代理店HiveStersは、国連開発計画とバンコク都庁と提携し、消滅の危機にあるナンレンや他のバンコクの伝統的な5地区の保存に取り組んでいます。

 「現代の若い世代の人々は、私たちの文化をあまり重要だと思っていないからか、あまり文化について気にしていません。彼らが求めているのは、西洋の技術を追いかけることです」と、ツアーガイドのチャクリット・ケントンさんは、タイ国政府観光庁とタイ航空フィリピンがスポンサーを務めるメディアゲストに話しました。
 「この世代がいなくなると、これは私たちの文化から消えてしまいます。保存するための最善の方法は、文化や習慣を次の世代に伝えていくことです。他にできることとしては、旅行者に伝えることです、旅行者は世界にそれを伝えてくれますから。」
 このあたりの目印の一つである、富裕層向けのハイエンドな映画館だったサラ・チャオエム・タニ・シネマも、ナンレンに位置しています。整備資金の不足によって’90年代前半に閉店しました。

<家庭料理、デザート>
 ナンレンの市場は、家庭の料理やタイデザートまで楽しい食の経験を提供しています。お昼時にはいつも人で溢れ返っています。
 ホンおばあちゃんの愛称で呼ばれる90代の女性はこの地区に住み、第二次世界大戦の頃からタイのデザートを作っています。彼女は現代に生きるために、今でも続けています。
 ヤシのケーキや蒸しバナナケーキ、タイタロ芋カスタードケーキなどの美味しいデザートが揃えられています。
 「それぞれのデザートの材料を準備するのには長い時間がかかります。時代を超えて、彼女はこの地区の人々に提供するためにこれを続けているのです。彼女が亡くなると、誰もこれを引き継げなくなります」ケントンさんは言います。
 ホンおばあちゃんが一番忙しいのは朝ですが、この時間帯に訪れた人は彼女がデザートを準備するのを見ることができます。
 ナンレン市場は食愛好家にとって理想郷でもあります。普通の海鮮食材、肉、野菜の他に、他でなかなか見つからない食材もここではいつでも売られています。いくつかの露店も、主にもち米とココナッツミルクで作られたタイ料理とデザートを売っています。小さなレストランやフードコートもあります。
 一部のツアーには、露店や通りでよく売られている、地域で人気のパッドタイや焼きそばの作り方講座も含まれています。

<フォークダンス>
 訪れた人は、今のタイではほとんど行われていない、チャトリという伝統的なフォークダンスを教わることができます。ダンスを学びたい人には、70代のカニャおばさんが教えてくれます。
 「私たちの伝統的なダンスは今や消えかけています。練習するのが大変なので、若い世代の人はやりたがらないのです」と、ケントンさんは言います。
 ダンサーの家庭に生まれたカニャおばさんは、若い頃からチャトリを練習してきました。彼女が住んでいる家は、100年前の彼女の先祖から引き継がれています。
 旅行者は儀式に使われていたパンプァンやタイの高級な香り粉の冠の作り方を教わることもできます。これは、タイのハーブで作られた香りの粉を宝石の粉と混ぜて作られます。
 冠は女性が髪に香りを付けるためのアクセサリーとしても使うことができます。
 「この慣習は、どのようにやるのかを誰も知らないので、消えかけています」ケントンさんは言いました。

<芸術愛好家向け>
 ナンレン外のバンコクの魅力として、芸術を愛する人が絶対に逃してはいけないのが、華やかな内装を持つ新古典主義のルネッサンス様式の建造物、アナンタサマーコム宮殿です。金やその他の高級な材料で作られた洗練された芸術品の数々が、チャクリー王朝を描いた壁画と共に展示されています。
 ラーマ国王の時代である1900年代前期には迎賓館として使われていましたが、現在は美術館となっています。
 館内での写真撮影は禁止されています。さらに厳しいドレスコードが設けられています。ビーチサンダル、ショートパンツ、ダメージジーンズやノースリーブシャツは禁止です。

タイのコメディードラマが心を揺るがす

心を揺るがすタイのコメディードラマが、次世代の輸出ポップカルチャーになり始めています

あなたはもしかするとタイ映画のファンで、これについては知らないかもしれせん。
「I Fine… Thank You… Love You」(2014)や「Hello Stranger」(2010)のようなコメディードラマには、ソーシャルメディアを介して言葉の壁など無いかのように世界中の人々に急速に広がるという点で、ストーリー性の高いタイのテレビCMと共通する性質を持ちます。それらは面白くも心情的で、飽きや操作的な雰囲気はありません。
「Unsung Hero(縁の下の力持ち)」というタイトルのThai Life Insurance(タイ生命保険)のCMは、ある若い男性が一見馬鹿げて見える気前の良い行動を取り、かけがえのないものを得る様子を映し、You Tubeで3千万回再生を達成しました。
ハフィントンポストなどの国際的なウェブサイト上の膨大な数の記事が、この動画がいかに感動的かについて書いています。この3分の動画が現れて約3年が経ちますが、今でもFacebookで広く共有されています。
タイのコマーシャルが文化を超えて翻訳されていることには、明らかに何らかの理由があります。
地方でも人気が高まっていることが証明しているように、このような全世界へのアピール姿勢はタイの長編映画にも広がっています。
今週の映画館では、シンガポールの映画ファンは2本のタイコメディードラマを楽しむことができます。タイのプーミポン・アドゥンヤデート国王の晩年の作曲に影響を受けたオムニバス映画「A Gift」と、明日公開の韓国映画「Miss Granny」(2014)のリメイクである「Suddenly 20」です。
地方の映画館は、これらの映画が「I Fine… Thank You… Love You」や「Hello Stranger」などの過去のタイドラマコメディーのようにヒットしてくれることを期待していることでしょう。
シンガポールでは、やる気のない生徒に力を貸す英語教師を描いた「I Fine…」が743,000ドル以上、ソウルで出会う2人のタイ人旅行者を描いた「Hello Stranger」が623,000ドル以上の総収益を上げました。
これらは何百万ドルの収益をあげる大ヒットハリウッド作品を比べると大したことがないように思えるかもしれませんが、200,000ドル突破すら難しいニッチな外国語タイトルの中ではこの数字をたたき出したことは大きな強みです。
もちろん、タイ映画製作は、ハリウッドやインド映画のリメイクである「Shutter」(2004)や「Alone」(2007)に代表されるホラー映画のヒット作品を生み出すことでも有名です。
しかし、タイ最高のテレビCMでも使われている「ストーリーを感動的に伝える」テクニック採用したタイのコメディードラマが、タイから輸出できる次世代のポップカルチャーの地位を急速に確立し始めています。

<成功の要因>
 昨年の「Touching Mothers」(2006)など、タイの最も成功したテレビスポットCMを手掛けた広告代理店BBDOバンコクの最高経営責任者ソムキアット・ラプタヌンチャイウォンさんは、タイのストーリーは「一つは感情に訴えること、もう一つは最もリアリティを表現できる方法を取ること」であると指摘します。
 映画ファンのセリーヌ・チュアさん(29)も同意しています。彼女は「Bangkok Traffic Love Story」(2009)や「May Who?」(2015)などのタイコメディードラマを、「とても深く感じる」と思ったため、これらを楽しんでいます。
 旅行案内業者であるセリーヌさんは言います。「私はどんなタイプの恋愛コメディーも楽しんでいますが、タイのラブコメディーは特に甘いです。」
 「外国のコメディアンからはプライドが高くてイライラするような印象を受けることがありますが、タイの俳優はいつも誠実そうで、とても好感が持てます。」
このように言われる要因にはおそらく、タイのスターがいつも綺麗な身なりをしていることもあります。タイの主演俳優はしばしばユーラシア人や、モデルの経歴のある人です。
タイとドイツのハーフでモデルから俳優に転身したマリオ・マウラー(28)のファンであるチュアさん言います。「多くの人は韓国スターの大ファンですが、私は彼らは整形手術のせいで皆似すぎていると思います。」
多くの業界関係者は、タイコメディードラマの成功は、タイ人が持つユーモアセンスによるという事実に行きつくと信じている。
「SuckSeed」(2011)やオムニバス映画「A Gift」(2016)のうち1話の監督を務めたベテランタイ映画製作者のジラ・マィクンは、ザ・ストレート・タイムズにこう話しました。「ユーモアセンスの血が私たちには流れているのです。私たちは普段の生活でも冗談を言いますし、馬鹿げた状況にも笑いを見出すことができます。」
ニー・アン・ポリテクニック大学の映画・音響・動画コース長のレスリー・タンさんはこう付け加えました。「タイのユーモアセンスは、一番暗いシチュエーションにも軽率さと喜劇を見せるほどです。外国の観客は、これに皮肉からのリフレッシュを見出し、アメリカ映画でも受け入れられている言語ベースのユーモアを連想することができます。」
「『The Iron Ladies』(2000)や『Pee Mak』(2013)などの映画も、様々なシチュエーションで観客にタイ人の笑いの能力を披露しています。」「The Iron Ladies」は、服装倒錯者のバレーボールチームが、タイ男子バレーボール選手権に出場するまでの実話を描いています。「Pee Mak」は、幽霊の妻と子と暮らす軍人の伝説に基づいた、馬鹿げたホラーコメディーです。
ジラ監督は、タイ人は「内容に貪欲」なため、今後多くのタイの若者が映画製作の世界に入ってくるだろうと考えています。
「タイの若者は近頃映画製作により強い興味を示しているようです—おそらく世界の観客に映画で働きかけることに可能性を見出しているからです。爆発的に拡散する動画コンテンツを作ることがタイで彼らの流行となっています。」
これはシンガポール大学の学生のジュニー・ホーさん(22)が強く願っていることです。
タイのオムニバスコメディードラマ「Seven Something」(2012)のファンである彼はこう言います。「近頃は恐ろしく馬鹿げたものでも急速に拡散しますが、タイ人は内容を感動的に仕上げる方法を知っています。彼らは見る人を笑わせ、心を揺るがす方法を知っているのです。」

「”女性らしく見えない”は褒め言葉」
タイ人の母とベルギー人の父を持つ美女ダビカ・ホーン(24)は、14歳でモデルを始め、5年後にテレビドラマ「Cupid’s Shadows」(2011)で女優としてデビューしました。
彼女は、アジア全体で3千3百万ドルの収益を生み出し、タイで最も高い興行収入を誇ったホラーコメディー映画「Pee Mak」で主演を務め、大ブレイクしました。
彼女の最新の映画は、魔法で20歳の時に変身してしまうがんこな老婆グラニー・パーンを彼女が演じる、「Suddenly 20」です。この映画は韓国のヒット映画「Miss Granny」(2014)のリメイクです。
ザ・ストレーツ・タイムズはホーンへのメールインタビューで、新しい役について聞きました。

—Suddenly 20では、下品に振る舞わなければなりませんでしたよね。可愛らしく、女性らしくないのは嫌ではありませんでしたか。
 いえ、全く。もしあなたが映画の中の私が女性らしくないと言うなら、それは私が上手く演じていたということですから、褒め言葉として受け取ります。この映画の撮影の間、私は演じることに集中していて、可愛く見せることは全く考えていませんでした。

—役を演じる上でどのような準備をしましたか。
 全般的に演技するために、身体的な演技や歌唱など幅広いトレーニングをしています。なかなか激しかったのですが、沢山の才能ある人たちとお仕事できたのでワクワクしました。リメイク前のグラニー・パーンを演じる女優のニーラナッチ・パタマスートさんの演技にも近づけなければなりませんでしたから、彼女の動きを出来る限り正確に真似ました。

—映画では、あなたが演じる人物が若返った時、彼女の孫息子と仲良くなりますね。現実のあなたの人生では、あなたはおばあさんたちと仲良しですか。
 そうなら良かったのですが、父方の祖母は私が幼い頃に他界してしまいました。そして母方の祖母とは一緒に暮らしていないので、一時しか会えません。私が望むほど彼女とは仲良くはないかもしれませんが、私は彼女を愛していますし、とても尊敬していると心の底から言えます。

—もし過去に戻れるとしたら、どの時代に戻りますか。またそれは何故ですか。
 私は子どもの頃に戻りたいです。とても幸せで、ストレスや責任が一切無かったからです。当時はただ学校に行って、友達と遊び、何でも食べたいものを食べて、ものすごく楽しかったです。

—タイの人たちはユーモアセンスがあると言われています。あなたはそう思いますか。
 はい。私たちはいつでも笑ってお互いをからかっています。私たちは幸せになるために生まれて来ています。タイを訪れたら、いたるところで私たちの笑顔を見られますよ。

<見るべきタイのスターたち>
サニー・スワンメタノン(35)
出演作品:I Fine… Thank You… Love You(2014)、Heart Attack(2015)
タイ人、フランス人、中国人の血を持つサニーは、ルックスと素晴らしい演技力の両方を持ち合わせています。「I Fine…」での英語を話す片思い中の生徒の役が、地域の観客の間で大ヒットするかなり前に、それよりも小さい映画「Dear Dakanda」(2005)で三角関係にとらわれた大学生を演じ、タイ国内の観客を引き込みました。「Dear Dakanda」で彼は、タイの新聞が主催しているKom Chad Luek Awardsの最優秀俳優賞を受賞しました。
 さらに彼はいい男のイメージを捨てることを恐れません。コメディードラマHeart Attackでは病弱なグラフィックデザイナーを演じるために、ほとんどのシーンで彼の全身に膿の溜まった吹き出物が描かれていました。

ニッタ・ミュー・ジラユンギュン(26)
出演作品:One Day(2016)
 ミューはOne Dayで主演を務めるまではタイのテレビに少ししか出演していませんでしたが、純タイ人である彼女の綺麗な顏は、2013年の女優デビュー以前から何年も、タイのいたるところで目にされていました。美しいモデルである彼女は、紙媒体やテレビ広告でシャンプーやスキンケアから電化製品に至るまであらゆるものの看板タレントであり、ファッション雑誌の表紙でもレギュラーを務めていました。
 彼女は去年のザ・ストレーツ・タイムズのインタビューで、映画デビューすることに緊張していましたが、映画One Dayの中では自然に演技できていたので、心配する必要はなかったと話しました。彼女のメガワット級の明るい笑顔は、心を溶かしてしまうほどです。

マリオ・マウラー(28)
出演作品:First Love(2010)、Pee Mak(2013)
 このタイとドイツ人ハーフのたくましい男性は、バンコクの最先端であるサイアム・スクエア・モールで16歳の時にスカウトされてからモデルとして活動を始め、紙媒体やテレビ広告、地方のミュージックビデオに出演していました。チューキアット・サックウィーラクン監督のゲイロマンス「The Love Of Siam」(2007)で主演を勝ち取り、見事俳優に転身しました。
 マウラーは青春恋愛コメディー「First Love」で魅力的な高校生を演じた後、絶大な人気を集めましたが、タイ最高の興行収入を得たホラーコメディー「Pee Mak」で主演を務めると、A-リストで1位になるほどのざらなる人気を集めました。

ヌンティダー・ヌーナ・ソフォン(24)
出演作品:Hello Stranger(2010)
 永遠の微笑みと陽気さを持つヌーナは、「Orange Blossom Crown」(2010)やLike The Sun(2008)などのテレビドラマの主題歌を歌い、芸能界での仕事を始めました。
 そして彼女はテレビでいくつか脇役を演じ、その後地域でヒットした映画「Hello Stranger」で韓国ドラマに没頭するタイ人旅行者を演じ、一晩で有名主演女優に上りつめました。

チャンタウィット・テル・タナセーウィー(33)
出演作品:Hello Stranger(2010)、One Day(2016)
 テルは感じの良い魅力を持った一流の人材です。「Hello Stranger」での彼の役は地域で大人気であり、2011年の上海映画祭ではアジアの有望な若手俳優10人のうち一人に贈られるスター・ハンターの名声を手にしました。
 彼は演技の枠を超え、脚本家としても注目を集めています。彼はチケット売り場での売れ行きに貢献した「Pee Mak」(2013)とOne Dayの脚本を共著しています。